岳-ガク-【映画】

あらすじ

世界の名峰を制覇した後、日本へ戻り山岳救助ボランティアとして活動していた島崎三歩のもとに、椎名久美が北部警察署山岳遭難救助隊の新人としてやって来る。三歩の指導を受けて訓練をこなしていた久美だが、実際の現場で遭難者を救うことが出来ずに自信を失っていた。そんなある日、猛吹雪の雪山で多重遭難が発生する。久美は仲間と共に現場へ向かうが、そこには想像を絶する雪山の脅威が待ち受けていた。
ウィキペディア映画『岳-ガク-』あらすじより引用)



映画を観る前に原作を12巻までイッキ読みするという中途半端な事をして(原作は14巻まで出てる)いざということで映画を観に行きました。


いやぁ、そんなに期待してなかったんですけど、面白かったです。
何と言っても、実際に北アルプスで撮影された映像、たとえば冒頭の空撮のシーンとかすごかったですね。雄大な山の風景と、そこに小栗旬演じる三歩が走りまわってるという映像が、なんとも迫力があって、NHKとかで百名山なんかの特集番組を見るのとはまた違った迫力でした。
これだけでも割と観た甲斐があったなぁと。


僕は俳優さんの事とか演技のことはよくわからないんですけど、小栗旬さんの演じる三歩はすごく良かったですね。
原作の三歩はどこか欠落しているというか、感情的に人間離れしたところがあるように見えるんですけど、小栗旬演じる三歩はそういう部分も残しながら、しっかりと人間らしさがあって、いい意味で映画では違った三歩が見れたなという感じでした。
あと、他の俳優さんもわりとハマリ役でいい感じでした。



ただまぁ、原作は基本的に一話完結で遭難であったり、山での人間模様を描いているんですけど、映画となるとそのままというワケにはいかず、2時間の中に一定の物語性であったり、盛り上がりを作らないといけないんですよね。原作のエピソードを上手くとって組み込んでという所は良かったんですけど、メインになってくる久美の成長物語とクライマックスでの多重遭難(二重遭難)がちょっとドラマチックにしすぎたかなぁという感じが否めなかった。
原作では薄い登場人物のキャラクター性を強めて物語性を高めるのはいいんだけど、ちょっと一連のストーリーとして見ると、ちゃらいというか厚みがなかったかなぁという感じでした。


あと、ちらちらもうちょっと上手い持って行き方があったろうと思えるエピソードもあったりしたのが少し残念。それでもクライマックスの久美の決断のシーンと三歩のシーンは引き込まれるものはあったんですけどね。


個人的に好きなエピソードが映像化されてなくて残念とかもありましたけど、まぁそれは仕方ない。
そういえば、僕は登山には造詣が無いのでわからなかったんだけど、実際に登山だったりクライミングだったりをする人が観るとどう感じるのかなぁとも思ったけど、どうなんだろか。


原作でも印象的な「よく頑張った」とか「ガンガン生きよう」とかそういった三歩のポジティブなセリフが映画でもやっぱりすごく印象的で、観終わったあとでこっちもポジティブになれるような、そんな気になりましたね。


北アルプスの風景も迫力あるし、観終わった時に自然と元気がもらえるそんな映画でした。
うん。思ってた以上に楽しめた。



よし。飯食って頑張ろうか。


岳 (1) (ビッグコミックス)

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