【ヤングキング】惑星のさみだれ【水上悟志】

あらすじ

人と関わる事を避けるヘタレ大学生の雨宮夕日の前にある日現れたのは喋るトカゲ。
聞けば、今地球は、魔法使いの魔法「ビスケットハンマー」によって砕かれる危機にあるというのだ。
トカゲの話を信じない夕日だが、突如現れたの敵に襲われてしまう。そんな夕日のピンチを救ったのがお隣りに住む少女さみだれだった。
救世主と思いきや、実はさみだれは地球破壊を企てる魔王だった。
そうして、惑星(ほし)を砕く物語が始まる。


いやぁこれはすごく面白かった!!

ざっくり言うと、ある日超能力を得た主人公が、同じく超能力を得た仲間と共に、地球を滅ぼそうとする敵と戦うという少年漫画の王道なストーリーラインではあるんですが、そのストーリーライン以外はわりと邪道というか、王道から外れてるんですよね。

味方のリーダーが、敵を倒した後で自分が地球破壊を企てていて、主人公がそれに賛同していたり、そもそも主人公が大学生だったり、仲間が下は中学生から上はじいさんまでと幅広かったり。何故か仲間が全員ご近所さんだったり。シリアスなんだけどギャグだったり。


そういう、王道なんだけど王道じゃないという独特の作品の雰囲気がとても良かった。あと、心に残る名台詞が多すぎる。


そして、バトルはあくまでもおまけで、この作品で最初から最後まで徹底して描かれているのが少年が大人になるという事なんですよね。
主人公の成長っていうのは物語ではまぁ定石なんですけど、子供と分類される登場人物のそれぞれの成長をしっかりと描いてるんですよ。そして、それぞれに目標となる大人の姿がある。この作品に出てくる大人はどこか抜けているんだけど、みんなかっこ良くて、ちゃんと『大人』をしているんですよね。

そして、面白いのが、物語の前半、主人公は子供として描かれているんだけど、後半からは大人として描かれている。
大学生からしたら、社会人は大人で、自分なんてまだまだ子供と思うけど、中学生からしたら大学生っていうのはちゃんと大人なんですよね。
そういう、誰から見て自分はどういう存在なのかという事しっかりと提示されているので、主人公の立場の変化に伴って、大人になる、成長するという事が上手く描かれている。


この作品は全十巻なんですけど、構成力がすごいなぁと感心したんですよね。ほとんど無駄な所がない。伏線も綺麗に張ってさらりと回収しているし、一巻二巻書いていた頃にすでにもう完璧に話が出来上がっていたんだろうなぁと思えるくらい。
他にも愛の話とか色々書こうと思ったんですけどね、上手く収められる気がしないので今回は書きませんけど、もうね、6巻10巻の涙腺崩壊がすごかった。


他にも各登場人物の話とか色々したいけど、また今度、この惑星のさみだれについてはフォロワーさんとUSTするので、そこで色々しゃべれたらなぁと思ってます。

ほんと、言いたいことが全然言えてない……もう感想を文章で出力するの無理だ……

惑星のさみだれ 1 (ヤングキングコミックス)

惑星のさみだれ 1 (ヤングキングコミックス)