【メディアワークス文庫】初恋彗星【綾崎隼】

【あらすじ】
小学生の頃、逢坂柚希は幼馴染の紗雪と共に、転校生の星乃叶を助ける事になった。それがキッカケで、家庭の事情から星乃叶は紗雪の家で居候をする事に。
やがて、導かれるように柚希と星乃叶は互いに惹かれていって、付き合うことになった。
星乃叶が居候を始めて一年が過ぎたある時、星乃叶は転校する事になり……
三人は次の彗星を一緒に見ようと約束するがーーー



これはすごく良かったなぁ。あらすじ読んであぁ絶対好きそうって思ったけど、期待を超えるジャストミートな作品だった。

小学生の頃は、付き合ってるんだけど、みんなで遊んでる時間の方が多くて、でもそれが楽しくて、みんなで夢みたいな約束をしてという感じでニヤニヤしながら読んでたんだけど、星乃叶が転校することになって、中高と遠距離恋愛が続いて、通じ合っているようで、距離という物理的な遠さにもやもやして、切なくて、という展開でこっちまでもやもやしてしまった。
気になるクラスメイトが出来て、それでもやっぱり星乃叶を想っていて、会いたいという気持ちが日に日に強くなって、ようやく会えるとなってからの幕間、
今後どうなるんだろうと思っていたら……

幕間ですべてを持っていかれた。これは辛いよ……。
みんなが苦しんで、誰もが不幸で、たたき落とされるような気持ちでした。


「柚希。お前は優しい嘘って必要だと思うか?」


このセリフをこんなにも考えさせられるとは思ってもみなかった。
自分を殺す思いで、大切な人達たちのためにつき続けた嘘は尊いモノだと信じたいな。
すれ違って、悩んで、苦しんで、思い描いていた未来とは少し違ってしまったけど、
最後は本当に大切な人と一緒に過ごして、約束を果たすことが出来たのはすごく幸せなだったんだろうな。

エピローグがすごく素敵だった。思わず涙腺が……(いや、幕間以降ずっとヤバかったw)


どうやらこの作者さんは前作も評判が良さそうなので読んでみようかなぁと思ってる。

☆☆☆☆

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