【アフタヌーン】ハックス!4【今井哲也】

【あらすじ】
高校の新歓イベントで上映されたアニメーション作品を見て、それを作った、アニ研に入部を決めた阿佐美みよしを中心に描く高校アニ研D.I.Yグラフィティ

文化祭でオリジナルアニメーションを上映するという目標が決まって、いざ制作というところで、部長が受験で引退しちゃったり、データが消えちゃったりと、アニメ制作はアクシデント続き……さて無事にアニメは作れるのか?というところの最終巻です。



いやぁ面白かった。続きも読んでみたかったけど、全四巻でキレイに終われるのなら、それはその方がいいのかもしれないなぁと思ったり。

こういう共同作業は必ず歪みっていうのは出来てしまうもので、みんな仲良く楽しくってのは中々難しいよね。
三山と一年生二人の間に決定的な溝が出来てしまった時の気まずさはもう……
こういう創作活動って、みよしみたいにやりたい事をやれる人間っていうのは意外と少なくて、むしろ部長や三山みたいに、やりたいという気持ちはあるけどやらない、やれないという人の方が圧倒的に多い訳で……
ハックスでは持てる者の葛藤も、持たざる者の苦悩や苛立もしっかり描かれてて、それが妙にリアルなんだよね。僕は三山の苛立にすごいシンパシーを感じたw

そこから、みよしは結果的に三山を追い出した形になって、それが嫌で、でもアニメを作るのは楽しくて、楽しんでる自分がまた嫌で、でも楽しみにしてくれる人や協力してくれる人がいてアニメ制作を止めるわけにはいかない。という所でぐるぐる悩む姿に変な安心感があったw
みよしも普通の高校生なんだなぁとw


そこからみよしが吹っ切れるキッカケになった電話での会話が良かったなぁ。
何かを成すにはエゴイストになるくらいがちょうどいいもんね。やり遂げたことのある人だからこその説得力だなぁ。
しかも、その後に三上とか映研部長との関係修復をしてない(描いてない)のもリアルで良かった。
アニ研の人間関係にしても、生徒会にしても、キャラクターがリアルで等身大に感じられた事が凄く良かったなぁ。それによって違和感なく話に入っていけた。


そして最後の三ページに思わずニヤリとさせられた。
あぁやっぱりこういう文化部系の青春って大好きだw

ハックス!(4) <完> (アフタヌーンKC)

ハックス!(4) <完> (アフタヌーンKC)