【一迅社文庫】萌神【十文字青】

【あらすじ】
何事にも無関心でやる気の無い主人公の吉次。
それではいけないと、友人の少佐に諭されて半ば強引に未だ見ぬ“萌え”を探求する事に、しかし、アニメやマンガを見ても全く萌えを感じ無い吉次。
少佐は、最終手段として、萌えの精である萌神(モエジン)を召喚すると言い出して―――


一応ネタバレがありますと前置きしておきます。


今までの第九シリーズとはかなり雰囲気が違います。だって萌えの精を召喚しちゃうんですよ?
ただ、僕が思う第九らしさっていうのは不器用な人の、不器用な恋愛模様と成長にあると思うんですが、そういう所は、今回の萌神でも存分に発揮されていて、すごく良かったです。だから、今までの第九とは違うけど、違わないという不思議な感覚でした。

吉次が今まで感じたこと無い気持ちを感じて、迷って、恐れて、でも少しずつ交流を深めていくというプロセスにはすごくニヤニヤしました。
出てくる女の子も一癖も二癖もあって、可愛いと思う反面、ゾッとしたりもする。なんというか、女運がいいのか悪いのかわからんw

というか、この萌神において、注目すべきは後半部分。モエジンのもえるが自分の為にその存在が消えかかっていると知ってからの展開がすごい。
もえるを助けるためにもえるが生まれた世界ハニャーンへと旅立つんだけど、
まさかファンタジーになるなんて誰が予想したんだ。しかも、めちゃくちゃ熱い。しかもそのまま終わった!
僕は吉次はもえるを選んだんじゃなくて、候補の一人に格上げされた、くらいにしか思わなかったけど、よく考えたらあれから二年の歳月が過ぎてるんだよね……

吉次の成長という意味では割とキレイに終われてはいるんだけど、他は全くと言っていいほど袋小路なんですよねwだって、三又は続いてるし、もえるも近いうちに消えちゃうし、どうなるんだろう……。
続きが激しく気になります。

この作品の売上いかんで続編作られるかも?という話なので、是非とも売れて欲しいなぁ。

萌神 (一迅社文庫)

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