【ジャンプ】封神演義【藤崎竜】

そう、封神演義とはあの封神演義です。10年前に連載を終えたあの封神演義です。なんで今更?と思うかも知れませんが、まぁそれは割愛いたします。一気読みしましたので、軽く感想を書きたいと思います。


最後に読んでから本当に10年くらい経ってるんだけど、大まかな話の流れは思ってたより覚えていてビックリした。あと、昔持ってた後半部分に抱いていた負の印象とは違った印象を持てたのが面白かったです。後半に関してはパワーインフレと歴史の道標こと女媧の解釈に納得がいかなかった事を覚えているのですが、それに関する不満はむしろ好評へと変化しました。
パワーインフレに関しては、十分に少年漫画の許容範囲内だったし、弱っちかった主人公が強敵と戦い、新たな武器を手に入れ、次第に強くなり、そして実は選ばれた人だったというのはまさに少年漫画の主人公と言ったところで(修行してという過程は省略されてたけど)思っていたよりもちゃんと少年漫画していたんだなぁと感じましたねー。

そして、歴史の道標、女媧の解釈はむしろ、全然アリ。そういう話大好き。と思ったのはこの十年間で自分がどのような事に触れて、変わってきたのかよくわかりましたねw
あと、もう少しいえばある程度史実に基づいて話を進めて、最後に作者の独自解釈を入れてくるというのは凄く上手いなぁと思いましたね。しかもその解釈に説得力があり、これまでの登場人物たちの行動に違和感が生まれてないのが凄い。ひねた言い方をすると、上手くこじつけが出来てるといったところでしょうか。


上で少年漫画らしいと書いたんですけど、少年漫画らしからぬ表現もたくさんあって、今読むとすげーなぁと思いましたね。
息子の人肉ハンバーグを食べさせられる→摂食障害→衰弱死という姫昌の死の一連なんて鬼畜過ぎる。よくこんな事を少年誌でやってたなぁとw

バトルモノとしての少年誌らしさと物語の進行やネタにおける非少年誌らしさのバランスがたぶん絶妙なんだろうなぁ。
その絶妙なバランス感覚は、紀元前の中国が舞台の封神演義なのに、「日本一の卑怯者」と言えてしまったり、横文字が飛び交ってしまう世界観にも言える事で、
程良くゆるく、程良くブラックで、程良く少年漫画というところにフジリュー封神演義の最大の魅力があるんだろうなぁ。

全巻大人買いした価値は十二分にあったなーいい買い物だった(と言ってもブックオフで2000円だったけど)

あとは最後の締め方が秀逸。あの一文は素晴らしいとしか言えない。あの一文で凄まじくカタルシスを得る事ができました。


あー気持ち悪いくらい褒めてるなぁ……まぁいいか……


あと、僕が一番好きな女性キャラは竜吉公主で、好きなカップリングは姫発×呂邑姜です。
ふつうって言うなー


もっと内容やキャラに触れて色々言いたいけど、キリがないのでこのへんで。

封神演義 完全版 1 (ジャンプコミックス)

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