【メディアワークス文庫】六百六十円の事情【入間人間】

【あらすじ】
『カツ丼は作れますか?』―――寂れた地元密着のコミュニティサイトに立てられた一つのトピックス。
そこから始まる、五つの、他人からすればどうという事はない、それでも当人たちにはとても大切な、それぞれの事情。


実は初、入間人間作品だったりします。いいなぁ。すごく面白かった。
全体的な作風としては、事件の起きない『ラッシュライフ』(著伊坂幸太郎)って感じかな。それぞれ独立したお話なんだけど、それぞれちょっとづつほかの登場人物たちが出てたりして、5章、6章で収束する感じ。
全体的な流れのあとの6章、エピローグがとても良かったんだけど、独立した話だと、一章と二章が特に青春しててとても良かった。


それぞれの話でみんな、ちょっとしたキッカケで前を向く事が出来るんだけど、出来事が終わるとやっぱり一見変わっていな日常に戻ってしまう。それでも確かな変化があって、というラストにはおもわずニヤニヤしてしまった。締め方も粋だったなぁ。


この作品を読んで世界は自分が思ってるよりも少しやさしくて温かいし、割と悩みがあってもどうにかなっちゃうのかもしれない。なんてことを思いましたね。


僕は最後に前を向いて一歩進む、そんな話が好きなので、この作品はドンピシャだったなぁ。

久しぶりに感想書いたので、なんか文章が酷い出来に……

六百六十円の事情 (メディアワークス文庫)

六百六十円の事情 (メディアワークス文庫)